LFM 局地モデル

SCWの局地モデルは2kmメッシュの雨量・雲量、気温・湿度、気圧・風速の予測図が毎時更新で提供されます。凡例はGPV気象予報の詳細モデルと同様です。

supercweather.com

上記リンクから画面右下の「詳細」を「局地」に切り替えて表示させます。

雲観測マップ

雲観測マップで提供する雲形と雲頂高度の見方。

雲観測マップは3つの要素からなります。

1.塗潰域 7種類の雲形がそれぞれの色で表示されます。
2.等値線 雲頂高度を表します。等値線に表示される数値の単位はメートル。
3.ドット 黒ドットは雲混じり域、緑ドットはダスト、白ドットは積雪域を表します。

1.塗潰域 7種類の雲形


雲観測マップの7種類の雲形と十種雲形の対応

名称 記号 雲形マップ 高度
上層雲 巻雲 Ci (1) 5,000~13,000m
巻積雲 Cc (1)
巻層雲 Cs (1)
不透明上層雲 - (5) 雲頂高度~13,000m 十種雲形に該当なし
中層雲 高積雲 Ac (6) 2,000~7,000m
高層雲 As (6)
乱層雲 Ns (6)
下層雲 層雲 St (4) 地表付近~2,000m
層積雲 Sc (3)
対流雲 積雲 Cu (2) 600~6,000m またはそれ以上
積乱雲 Cb (7) 雲底は下層にあり、雲頂は上層まで発達している。~12,000m
小倉義光(1984)『一般気象学【第2版】』 東京大学出版会.

(0)晴天域

雲のない状態は黒で表されます。

快晴

(1)上層雲

上層雲で半透明なものがで示されます。巻雲、巻積雲、巻層雲が対応します。

上層雲 ― 巻雲 (Ci) 上層雲 ― 巻積雲 (Cc) 上層雲 ― 巻層雲 (Cs)

(2)積雲

積雲は対流によって発生し下層にあります。上昇流(サーマル)が生じているところに積雲があります。上昇流と上昇流の間には下降流があり、その部分には雲はありません。上昇流と下降流が短い間隔で並ぶため、雲量が100%になることはありません。

対流雲 ― 積雲 (Cu)

(3)層積雲

積雲と層雲の中間でで示されます。

下層雲 ― 層積雲 (Sc)

(4)層雲

雲は滑らかで隙間はあまりありません。で示されます。

下層雲 ― 層雲 (St) 下層雲 ― 層雲 (St)

(5)曇天域(不透明上層雲)

十種雲形の上層雲は厚みがなく半透明なため、不透明上層雲が対応するものはなくそれらと異なります。不透明上層雲は厚みのある中層雲の雲頂が上層に達しているものと考えられます。

(6)中層雲

十種雲形の高層雲、高積雲および、乱層雲が対応します。で示されます。

中層雲 ― 高積雲 (Ac) 中層雲 ― 高層雲 (As) 中層雲 ― 乱層雲 (Ns)

(7)積乱雲

積乱雲が観測された場所はが示されます。

対流雲 ― 積乱雲 (Cb)

2.等値線 雲頂高度

雲頂高度を表します。等値線に表示される数値の単位はメートル。

雲形の等値線は100~1000mまでの黄色からオレンジの線は100m間隔
1000~20000mまでのオレンジ~紫~マゼンタ~赤の線は10000m間隔

雲量の等値線は0~15000mまでの黄色~オレンジ~紫~マゼンタ~赤の線で1000m間隔

3.ドット

黒ドットは雲混じり域を表す。雲観測マップの精度は1kmとなるが、1km以下の領域において雲のある部分と無い部分が混在していることが解析された場合、雲混じり域であるとして、黒ドットを表示している。

緑ドットはダスト、白ドットは積雪域を表す。

表示例

地点 A.

地点Aの色は(1)上層雲で半透明なものである巻雲か巻積雲、または巻層雲と判断できます。雲頂高度1000m以上の等値線間隔は1000mであること及び等値線の値(10000)から雲頂高度は10,000~11,000mであることがわかります。また黒ドットが表示されており雲まじり域です。

地点 B.

地点Bの色は(2)積雲。等値線の値(200及び300)から雲頂高度は200~300mであることがわかります。また、黒ドットから雲まじり域と判断できます。

地点 C.

地点Cの色は(3)層積雲。地点Bと同様、雲頂高度は200~300m。雲まじり域。

地点 D.

地点Dの色は(4)層雲。雲頂高度1000m以下の等値線間隔は100mであること、等値線の値(700)から雲頂高度は700~800mです。

地点 E.

地点Eの色は(5)曇天域(不透明上層雲)であり、雲には厚みがあり不透明で雲頂が上層に達している。雲底は判断できないが下層から中層の範囲にあると考えられます。等値線間隔が1000mであること及び等値線の値(10000)から雲頂高度は9,000~10,000mです。

地点 F.

地点Fの色は(6)中層雲で十種雲形の高層雲か高積雲、または乱層雲と判断できます。等値線の値(3000, 5000)から雲頂高度は4,000mです。

更新時間等

SCWにおける更新時刻 毎時20分
水平解像度 1km

更新時刻は雲域の広さに応じ雲形判別と高度算出の処理時間が変動するため遅くなる場合があります。更新時刻は調整中のため今後変更になることがあります

SSI

SSI(Showalter stability index; ショワルター安定指数)

SSIは高度約5,500mの大気の温度T500と、高度約1,500mの大気を約5,500mに乾燥断熱または湿潤断熱で強制的に持ち上げた空気塊の温度TPとの差、すなわちSSI = T500-TPのことをいいます。 SSI = 0の場合、T500=TPで、約5,500mの大気と持ち上げた空気塊の密度差はなく、浮力も発生せず安定した大気の状態です。SSI > 0の時は、T500 > TPで持ち上げた空気塊の密度の方が大きく、これも浮力は発生せず安定した大気の状態です。 SSI < 0の時、T500 < TPということになり、持ち上げた空気塊の密度が約5,500mの大気の密度より小さいため、浮力が発生することになります。この浮力が大気の対流を生じさせる駆動力となるため、大気の状態が不安定となります。 SSIは値が小さい程、大気が不安定であることを表します。
大気が不安定になるパターンとしては、上空に寒気が入った場合(T500が小さい)や、強い日射で地表付近の大気温度が上げられた場合(TPが大きい)などがあります。

雨量雲量図で負の小さい値のSSIが表示されているときは、雨量雲量図で雲量や雨量が予測されていない場合でも、対流性の雲(積雲・積乱雲)が発達し、局所的に、短時間強雨、局所的な雲、また突風が発生する場合のあることが予測できます。

SSI Description
0 安定
-3 雷雨の可能性あり
-6 激しい雷雨の可能性あり
-9 激しい雷雨の可能性大

なお、雨量雲量図SSI表示は図が煩雑になることを防ぐためSSI= 0, -3, -6, -9 のみ等値線を表示しています。詳細はGPV気象予報のSSI表示を参照して下さい。

操作方法

「LFM 局地モデル」はSCWの画面右下「詳細」を「局地」に切り替えて表示させます。

  • 画面右半分をタップまたはクリックすると予報時間が進み、左半分のタップで戻る。
  • 最新の情報はブラウザの更新ボタンを使用して取得する。
  • 画面左上「設定」の「map type」で地図の種類を変更できる。
  • 画面左中央に表示されている赤半透明のステータス表示は「設定」から表示または非表示を選択できる。